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発酵食品とは?生きた菌はいる?腸内環境への影響を論文から解説

2026 9/12
腸活図鑑
2026年9月12日
目次

発酵食品とは?

納豆やヨーグルト、味噌、キムチなど私たちの身の回りにはたくさんの発酵食品があります。

「発酵食品は体に良い」「腸活といえば発酵食品」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか?

ではそもそも「発酵食品」とはどのような食品なのでしょうか?

国際プロバイオティクス・プレバイオティクス科学協会(ISAPP)の専門家によるコンセンサス声明で、発酵食品・飲料は以下のように定義されています。[1]

発酵食品・飲料とは

「望ましい微生物の増殖と、食品成分の酵素的変換によって作られた食品」

わかりやすく言えば、

「発酵食品・飲料=微生物の働きを利用して、もとの食品を意図的に変化させて作られた食品」

と考えるとわかりやすいでしょう。

身近な発酵食品を例に挙げて、発酵について見ていきましょう。

 発酵食品 発酵に関わる主な微生物
納豆納豆菌
ヨーグルト乳酸菌
味噌麹菌、酵母、乳酸菌など
キムチ乳酸菌など

発酵に関わる微生物は食品により異なり、もともと存在する微生物を利用する場合もあれば、特定の微生物を加えて発酵させる場合もあります。

「発酵」と「腐敗」は何が違うの?

「発酵」も「腐敗」も微生物の働きによって食品成分が変化するという点では共通しています。

では何が違うのでしょう?

大きな違いは、その変化が意図的に引き起こした望ましいものかどうかです。

「発酵」は微生物の働きを利用して、元の食品の味や香り、保存性など望ましい性質を生み出すもの。

一方で意図せず微生物が増殖し、食品の品質を損なうような変化を「腐敗」と言います。

つまり「微生物が食品を変化させる」という現象は同じでも、人が望む形になるように利用しているかどうかという点が大きな違いになります。

では微生物による発酵で元の食品にはどのような変化が起こるのでしょう?

次は「発酵すると食品に何が起こる?」を見ていきましょう。

発酵すると食品に何が起こる?

発酵食品というと「菌を摂ること」に注目しがちですが、発酵にはまた別の魅力もあります。

発酵の過程で微生物が元の食品に含まれる成分を利用して、分解したり、別の成分に変換したり、新たな成分を作り出したりします。この過程を経ることで食品によっては一部の成分が消化・利用しやすい形になったり、味や香り、保存性などが変化することがあります。[1]

つまり発酵とは微生物の働きによって「食品そのものが変化する過程」でもあるのです。

では身近な発酵食品で実際にどんな変化が起きているのか見てみましょう。

 発酵食品 発酵による主な変化 身近なポイント
ヨーグルト乳酸菌が乳糖を利用し、乳酸などを生成酸味が生まれる
納豆納豆菌が大豆成分を分解・変換独特の風味や粘りが生まれる
味噌麹菌などの酵素でたんぱく質や炭水化物が分解・変換されるうまみや香りが生まれる
キムチ乳酸菌などが糖を利用し、有機酸などを生成独特の風味や酸味が生まれる

このように発酵によって起こる変化は食品や発酵に関わる微生物によってさまざまです。
発酵食品の特徴は「菌を食べること」だけではなく、微生物の働きによって食品そのものが変化していることにもあります。

発酵食品には「生きた菌」がいる?

発酵食品と聞くと生きた菌がたくさん入っている食品をイメージする方も多いのではないでしょうか?

しかし発酵食品だからといって食べるときに必ず生きた菌が含まれるわけではありません。

発酵食品の中には、ヨーグルトや一部のキムチのように食べる時点でも生きた菌を含むものがあります。

一方で、発酵後の加熱や殺菌処理によって生きた菌がほとんど、あるいはまったく残っていない発酵食品もあります。

例えば、パンは酵母により発酵させて作られますが、その後の焼き上げにより酵母は生きた状態では残りません。

それでもパンが発酵食品であることにかわりません。

つまり

「発酵食品」=「生きた菌を含む食品」ではない

ということです。

ここでもう一つ、よく混同される言葉があります。

それが「プロバイオティクス」です。

国際的なコンセンサスで、

プロバイオティクスとは「適切な量を摂取したときに、宿主に健康上の利益をもたらす生きた微生物」

と定義されています。[2]

そのため発酵食品に生きた菌が含まれているというだけで、すべてを「プロバイオティクス」と呼ぶことはできません。

発酵食品とプロバイオティクスは同じものではないのです。

発酵食品は腸内細菌にどう影響する?

発酵食品は私たちの腸内環境にどのような影響を及ぼすのでしょうか?

「発酵食品に含まれる菌が腸に届き、善玉菌を増やしてくれる」

そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。

しかし発酵食品と腸内環境の関係はそれほど単純ではありません。

発酵食品には生きた菌を含むものもあれば、加熱などにより生きた菌がほとんど残っていないものもあります。また発酵の過程で元の食品に含まれる成分が分解・変換され新しい成分が作られることもあります。

そのため発酵食品が腸内環境に影響を与えるとすれば生きた菌だけではなく、食品に含まれる様々な成分も関わっている可能性があります。

つまり発酵食品を食べた時に起こる変化を考えるには

「どんな菌が含まれるか?」だけではなく、「食品全体として何を摂取しているか?」も重要なのです。

ここで発酵食品の健康効果に関して論文の情報をもとに見ていきましょう。

2021年に発表されたランダム化介入研究では健康な成人36人を対象に発酵食品を多く摂る食事と、食物繊維を多く摂る食事が比較されました。

その結果、発酵食品群では腸内細菌の多様性が徐々に増加し、複数の炎症関連指標が低下しました。一方で食物繊維群では多様性の明確な増加は見られなかったものの、腸内細菌が糖質を分解するための酵素に関わる機能的な変化が確認されました。[3]

また2025年に発表されたシステマティックレビューでは健康な成人を対象とした発酵食品の摂取と消化管の健康に関する25研究が整理され、発酵食品の摂取によって排便回数や便の性状、腹部症状、腸管通過時間などに有益な影響が示唆されました。[4]

発酵食品の健康効果を考えるときに大事なのは

「どの食品を、どのくらい摂取し、どのような人に、どんな変化が見られたか?」

を分けて考える必要がありそうです。

発酵食品の摂取によって腸内細菌叢や炎症関連指標、便通・腹部症状などに変化が見られた研究を紹介しました。ただし、すべての発酵食品に共通する効果や誰にでも当てはまる最適な摂取量が確立しているわけではありません。

では普段の食事に発酵食品をどのように取り入れていけばよいのでしょうか?

次は「発酵食品との上手な付き合い方」を見ていきましょう。

発酵食品との上手な付き合い方

私たちの身の回りにはヨーグルトや味噌、納豆、キムチなど様々な発酵食品があります。

では普段の食生活にどのように取り入れていけばよいでしょうか?

「発酵食品=健康に良い」とは限らない

発酵食品を選ぶときは、食品全体として何を摂取しているかという視点も大切です。

例えば味噌や漬物などは塩分が多くなりやすく、加糖ヨーグルトや甘酒は糖質が多くなりやすい。

一方でヨーグルトや納豆はたんぱく質を摂る食品として活用できます。

発酵食品という共通点で一括りにせず、それぞれの食品の栄養成分や、普段の食事とのバランスを考えて選ぶことが大切です。

毎日食べたほうがいい?どれくらい食べればいい?

「腸活のために発酵食品は毎日食べたほうがいいの?」と気になる方もいるかもしれません。

発酵食品に関する研究では食品の種類や摂取量、摂取期間などの条件が異なり、すべての発酵食品に共通する最適な摂取量や摂取頻度が確立しているわけではありません。

そのため「毎日必ず〇〇g食べなければならない!」と考える必要はありません。

まずは普段の食事に無理なく取り入れられるものを選び、継続しやすい形で楽しむのが良いでしょう。

今日からできること

発酵食品を取り入れるのに特別な食事を用意する必要はありません。

例えば

  • 朝食にヨーグルトを添える
  • 汁物を味噌汁にする
  • ごはんのお供に納豆を足す
  • 副菜としてキムチを少量取り入れる

などできる範囲で始めましょう。

大切なことは発酵食品だけに頼るのではなく、食物繊維を含む食品や植物性食品なども含めて食事全体を組み立てることです。無理してやると続きません。毎日の食事を楽しみながら腸活のために取り入れられる選択肢の一つとして発酵食品を活用してみませんか?

まとめ

発酵食品について今回のポイントを振り返ってみましょう。

思い立ったら即行動!!

「実際にどんな料理に取り入れればいいの?」
そんな方に向けて、わが家で実際に食べている腸活ごはんを紹介しています。
▶ 今日からできる「腸活ごはん」を見てみる

①Marco ML, Sanders ME, Gänzle M, et al. The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics (ISAPP) consensus statement on fermented foods. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2021;18:196-208. PMID: 33398112.
②Hill C, Guarner F, Reid G, et al. Expert consensus document. The International Scientific Association for Probiotics and Prebiotics consensus statement on the scope and appropriate use of the term probiotic. Nat Rev Gastroenterol Hepatol. 2014;11:506–514. PMID: 24912386.

③Wastyk HC, Fragiadakis GK, Perelman D, et al. Gut-microbiota-targeted diets modulate human immune status. Cell. 2021;184(16):4137–4153.e14. PMID: 34256014.

④Mukherjee A, Farsi DN, Garcia-Gutierrez E, et al. Impact of fermented foods consumption on gastrointestinal wellbeing in healthy adults: a systematic review and meta-analysis. Front Nutr. 2025;12:1668889. PMID: 41141260.

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みつけん
薬剤師
1983年生まれ。兵庫県出身の2児の父。
薬剤師/腸内環境管理士/食生活アドバイザー
焼き芋🍠が大好物。

思考停止でジャンクフードに溺れた過去。
冬場は必ず風邪をこじらせ、
年中通して体のだるさを感じていた僕が
腸活と出会い、毎日の絶好調を取り戻す。

【腸活は最強のセルフメディケーション】

“腸活ごはんを通じて
自分と関わった人の絶好調を実現する。”

現在は『腸活ごはんでカラダメンテ』をモットーに
腸活指導・アドバイスを行っています。
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